Orcha

Output

ユーザージャーニーマップ

ユーザーがサービスを利用する一連の体験を時系列で可視化。タッチポイント、感情曲線、改善機会を含む。

情報設計デザインダイアグラム
AI進化方向性

AIがユーザー行動ログから最適なジャーニーマップを自動生成し、ペインポイントとオポチュニティを自動検出。動的ジャーニーマップがリアルタイム更新に

作成ツール

Figma / Miro / FigJam

フォーマット明記

ユーザージャーニーマップの標準フォーマット

ユーザージャーニーマップは、ユーザーがサービスを利用する一連の体験を時系列で可視化したドキュメントである。

NN/g による5つの基本要素

要素説明
1. アクター(Actor)ジャーニーの主体となるペルソナ。1マップにつき1ペルソナが原則
2. シナリオと期待マップが扱う状況・ユーザーの目標・期待値
3. ジャーニーフェーズ高レベルの段階区分。全要素を整理するフレーム
4. アクション・思考・感情各フェーズでの行動、思考、感情
5. 機会領域分析から導出される改善の機会

マップの3ゾーン構造(NN/g推奨)

  • 上部ゾーン: ペルソナ、シナリオ、目標・期待値
  • 中部ゾーン: フェーズに沿ったアクション、思考、感情(感情は折れ線グラフで描画)
  • 下部ゾーン: テイクアウェイ(機会領域、インサイト、担当部門)

実務で追加される拡張レイヤー

レイヤー説明
タッチポイントユーザーと製品・サービスが接触するポイント
チャネルインタラクションが発生する媒体(アプリ、対面、電話など)
ペインポイント各フェーズで経験する困難・障壁・不満
感情曲線フェーズ全体にわたる感情の起伏を1本の折れ線で可視化
Moments of Truthブランドに対する永続的な印象が形成される重要な瞬間
指標・KPI各タッチポイントのパフォーマンス指標
社内関係者各フェーズに関与するチーム・部門

関連手法との比較

観点エクスペリエンスマップジャーニーマップサービスブループリント
スコープ広範・製品非依存特定の製品・サービス特定サービス+内部オペレーション
視点一般的な人間の行動顧客のみ顧客+従業員・バックエンド
焦点広範な行動パターン感情・タッチポイント内部プロセス・サービス提供体制
使うタイミングジャーニーマップのデザインサイクル全体ジャーニーマップの

マッピング前に決めるべき3つの判断(NN/g)

  1. As-Is(現状) vs To-Be(理想): 現在の問題文書化 or 理想の将来像
  2. 仮説ベース vs リサーチベース: 既存知見 or 新規調査
  3. ローファイ vs ハイファイ: 付箋での柔軟なコラボ or 共有用の洗練されたアーティファクト

サンプル

サンプル: B2Bプロジェクト管理ツールのユーザージャーニーマップ

ペルソナ

項目内容
名前田中 美咲(35歳)
役職プロジェクトマネージャー(IT企業・従業員120名)
チーム構成開発チーム15名(うちリモート5名)
現状の課題Excel、Googleスプレッドシート、Slack、メールでタスク管理が分散
目標タスク管理を一元化し、リアルタイムで進捗を可視化したい

シナリオ

田中さんは、分散化したプロジェクト管理体制に限界を感じ、B2B SaaSプロジェクト管理ツール「TaskFlow」の認知から導入・定着・拡張までを経験する。


フェーズ1: 認知(Awareness)

レイヤー内容
ユーザーアクション技術カンファレンスでブース展示を見かける / 「プロジェクト管理ツール 比較」でGoogle検索 / 業界メディアの比較記事を読む
タッチポイントカンファレンスブース、Google検索結果、技術ブログ・比較サイト、SNS
思考「今のExcel管理はもう限界だ」「どんなツールがあるのか情報を集めよう」
感情やや不満 → 期待感
ペインポイントツールの数が多すぎて違いが分からない / 日本語対応やサポート体制が不明
機会領域日本語での分かりやすい比較コンテンツ / 同規模IT企業の導入事例を配置
KPIサイト訪問数、比較記事のCTR

フェーズ2: 情報収集・比較検討(Consideration)

レイヤー内容
ユーザーアクション公式サイトで機能一覧・料金ページを閲覧 / 競合3製品と機能比較表を自作 / 無料トライアル(14日間)に登録 / デモを依頼
タッチポイント公式Webサイト、料金ページ、無料トライアル環境、デモミーティング(Zoom)、ホワイトペーパー
思考「ガントチャートとカンバンの両方使えるのは良い」「情シスにセキュリティ要件を通す必要がある」
感情期待 → やや不安
ペインポイントトライアル期間が14日では実案件検証に不十分 / 料金体系が複雑 / SOC2/ISMSの情報が見つけにくい
機会領域トライアル期間延長申請フォーム / 料金シミュレーター / セキュリティ専用ページ
KPIトライアル登録率、デモ実施率、ページ滞在時間

フェーズ3: 意思決定・購入(Decision)

レイヤー内容
ユーザーアクション社内稟議書を作成(ROI試算含む) / 部長へプレゼン / 情シスによる技術評価 / 契約条件を交渉 / 契約締結
タッチポイント社内稟議システム、部長との1on1、情シスレビュー、営業担当(メール・電話)、契約書
思考「投資対効果を数字で示さないと通らない」「年間契約にすると20%割引か」
感情緊張・プレッシャー → 安堵
ペインポイントROI試算に使える具体的なベンチマークデータが不足 / SSOが標準プランに含まれない
機会領域ROI計算テンプレートの提供 / 電子契約への対応 / SSOのプラン開放
KPI商談成約率、契約までのリードタイム

フェーズ4: オンボーディング(Onboarding)

レイヤー内容
ユーザーアクションCS担当とキックオフ / 組織構造の初期設定 / 既存データ(Excel)のインポート / メンバー15名を招待 / 操作説明会 / Slack・GitHub連携設定
タッチポイントCSキックオフ(Zoom)、管理画面、データインポートツール、招待メール、ヘルプセンター
思考「初期設定が思ったより多い」「Excelからの移行がスムーズにいくか不安」
感情不安 → 達成感
ペインポイントExcelインポートのフォーマットが厳密でデータ整形に半日 / ヘルプが英語中心 / 操作説明資料を自作
機会領域Excel/CSV柔軟インポート / 日本語ヘルプ拡充 / カスタマイズ可能な社内展開キット
KPIオンボーディング完了率、初期設定完了日数、アクティベーション率

フェーズ5: 定着・活用(Adoption)

レイヤー内容
ユーザーアクションチーム全員が日次でタスクを更新 / ガントチャートでスプリント計画管理 / ダッシュボードで進捗可視化・週次報告活用 / 自動化機能設定
タッチポイント製品UI(PC・モバイル)、ダッシュボード、Slack連携通知、CSMレビュー(月次)
思考「報告資料の作成時間が3時間から30分に短縮された」「もっと高度な分析機能が欲しい」
感情満足・信頼
ペインポイントモバイルアプリの動作が遅い / カスタムフィールドの種類が限られている
機会領域モバイルアプリのパフォーマンス改善 / カスタムフィールド拡張 / 個人別レポート追加
KPIDAU/MAU比率、機能利用率、NPS

フェーズ6: 継続・拡張(Retention & Expansion)

レイヤー内容
ユーザーアクション契約更新検討 / 他部門への展開を上申 / 上位プランへのアップグレード検討 / ユーザーコミュニティに参加
タッチポイント契約更新通知メール、CSMとの更新ミーティング、プラン比較ページ、コミュニティ
思考「導入効果が数字で出ているから更新は問題ない」「他部門にも広げたい」
感情高い満足 → 慎重な検討
ペインポイント追加ライセンスコストが読みにくい / プラン機能差が分かりにくい / コミュニティが英語中心
機会領域段階的部門展開プログラム / プラン比較ページ改善 / 日本語コミュニティ開設
KPI契約更新率(GRR)、NRR、アップセル率

フェーズ7: 推奨(Advocacy)

レイヤー内容
ユーザーアクション導入事例インタビューに協力 / カンファレンス登壇 / 知人にツールを推薦 / レビューサイトに投稿
タッチポイント事例インタビュー、カンファレンス登壇、レビューサイト、SNS投稿
思考「自分のチームの成功体験を共有したい」「製品の開発方針に影響を与えたい」
感情高い愛着・誇り
ペインポイント事例公開の社内承認プロセスが煩雑 / フィードバックへの応答が遅い
機会領域アンバサダープログラムの正式化 / フィードバック応答体制の構築
KPI紹介数、レビュースコア、NPS(Promoter比率)

感情曲線サマリー

感情の谷(要注意ポイント):

  • 比較検討フェーズ: 情報過多と社内調整への不安
  • 意思決定フェーズ前半: 稟議プレッシャー
  • オンボーディング初期: データ移行の手間と不確実性

参考文献・出典

参考文献・出典

書籍

  • Kalbach, James. Mapping Experiences: A Complete Guide to Customer Alignment Through Journeys, Blueprints, and Diagrams (2nd Edition). O'Reilly Media, 2021.
  • Stickdorn, Marc & Schneider, Jakob. This is Service Design Thinking: Basics, Tools, Cases. BIS Publishers, 2011.
  • Stickdorn, Marc et al. This is Service Design Doing. O'Reilly Media, 2018.

Web記事・ガイド

テンプレート提供元

プラットフォーム形式特徴
Miroオンラインホワイトボードワークショップテンプレート付き
Figma / FigJamデザインツール5ステージのグリッド構造テンプレート
DESIGN αPPT/Excel/PDF/FigJamAsIs/ToBeの2種類
UXPressiaSaaSペルソナ連動型インタラクティブマップ